1953年8月19日トレンティーノ=アルト・アディジェ州ブルーニコ生まれ。ローマで育つ。父は碑文研究者ルイジ・モレッティ。父はまた俳優として度々彼の作品に出演した。兄フランコ・モレッティは比較文学者・文学理論研究者で著書の邦訳もある。
学生時代は映画と水球に熱中し、後に水球選手を主人公に映画『赤いシュート』(1989)を製作。1973年に切手のコレクションを売って手に入れたスーパー8で短編「La sconfitta」を、1976年には最初の長編映画「Io sono un autarchico」を撮影。この作品で続く4作品でも自ら演じることになる架空の人物Michele Apicellaが登場する。Apicellaは母の旧姓。この作品は16ミリフィルムにブローアップされベルリンやパリのシネクラブなどでも上映された。77年には俳優としてヴィットリオとパオロのタヴィアーニ兄弟が監督した『父 パードレ・パドローネ』に出演し、パルム・ドールを受賞。後にベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞したタヴィアーニ兄弟の『塀の中のジュリアス・シーザー』(2012)の配給会社探しが難航していた時、いち早くこの作品を見抜き自身の会社サケルが配給に名乗りをあげた。
1981年の『監督ミケーレの黄金の夢』でヴェネツィア国際映画祭審査員特別賞受賞。85年には『ジュリオの当惑』ではベルリン国際映画祭、審査員特別賞を受賞。93年の『親愛なる日記』でカンヌ国際映画祭監督賞を受賞し、2001年の『息子の部屋』でパルム・ドールを受賞。『親愛なる日記』以降は監督作全てがカンヌ国際映画祭のコンペンティション部門で上映され、2012年には審査委員長を務めた。日本で劇場公開される機会は少ないが短編やドキュメンタリー作品も多く発表している。最新作は「Il sol dell'avvenire」で『夫婦の危機』でシルヴィオ・オルランドに主役の座を譲って以来久しぶりに主役を演じている。
ローマでNuovo Sacherという映画館を共同経営している。名前はモレッティの好きなケーキ、ザッハトルテに由来する。
映画館「Nuovo Sacher」
Filmography
1976
IO SONO UN AUTARCHICO
1978
青春のくずや~おはらい ECCE BOMBO
1981
監督ミケーレの黄金の夢 SOGNI D’ORO ヴェネチア国際映画祭 特別金獅子賞(審査員特別賞)
1984
僕のビアンカ BIANCA
1985
ジュリオの当惑 LA MESSA È FINITA 1986年ベルリン国際映画祭 銀熊賞(審査員グランプリ)
1962年1月15日生まれ、ローマ出身。7度ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞の最優秀主演女優賞を受賞し、イタリアのメリル・ストリープと称されることもある。高校卒業後1度不合格となるも、シルヴィオ・ダミーコ国立演劇芸術アカデミーに学ぶ。ニーノ・ビッザッリ監督作「La seconda notte」(1986)で映画デビュー。ダニエレ・ルケッティ監督作品に2作続けて出演し「La settimana della Sfinge」(1990)で1990年のサンセバスティアン国際映画祭の最優秀女優賞を受賞。夫でもあったセルジオ・ルビーニ監督の『殺意のサン・マルコ駅』(1990)で最初のダヴィッド・ディ・ドナッテッロ賞を受賞。フェルザン・オズペテク監督の「無邪気な妖精たち」(2001)マリア・ソーレ・トニャッツィ監督『はじまりは5つ星ホテルから』(2013)ジュゼッペ・ピッチョーニ監督『もうひとつの世界』(1998)ジュゼッペ・トルナトーレ監督『題名のない子守唄』(2006)などイタリアを代表する監督の作品に次々に出演。モレッティ作品には『夫婦の危機』(2006)から4回目の出演。カーラ・デルヴィーニュ主演の「Together Now」やパオロ・ジェノヴェーゼ監督「il primo giorno dell amia vita」の公開を控え、モレッティ監督の次回作「Il sol dell'avvenire」にも出演している。
ルーチョ
リッカルド・スカマルチョ
Riccardo Scamarcio
1979年11月13日プーリア州トラーニ生まれ。母は画家。高校時代に何度も退学になり、友人の勧めでローマに移りイタリア国立映画実験センターで学ぶ。舞台での経験を積んだ後にテレビシリーズでデビュー。映画初出演はマルコ・トゥリオ・ジョルダーナ監督の『輝ける青春』(2003)。以降2004年に主演した恋愛映画「Tre metri sopra il cielo 」が興行的に大成功し、彼の世代で最も有望な俳優の一人としても注目された。ミケーレ・プラチド監督『野良犬たちの掟』(2005)フェルザン・オズペテク監督『明日のパスタはアルデンテ』(2010) ウディ・アレン監督『ローマでアモーレ』(2012)パオロ・ソレンティーノ監督『Loro 欲望のイタリア』(2018)などギャングから女性を虜にする好男子までを演じる。イザベル・ユペールらと共演し、カラヴァッジョを演じたミケーレ・プラチド監督の「L’ombra di Caravaggio」(2022)の公開が控える。
1997年3月14日マルケ州ファーノ生まれ。母はドイツ人、父はイタリア人。故郷の劇団で演技の勉強を始め、のちにローマに移り本格的に学ぶ。デビューはRaiで放送された人気テレビシリーズ「Provaci ancora prof!」で「un medico in famiglia」第9シリーズで演じた両親を探すアルバニア人役で有名になった。映画デビューはネリ・パレンティ監督の「Ma tu di che segno 6?」 (2014)で続く2016年にティムール・ベクマンベトフ監督によるパラマウント映画『ベン・ハー』のリメイクに出演。2018年にはレオナルド・グエッラ・セラーニョリ監督のロカルノ映画祭で上映された「ひと夏の体験」に主演した。2020 年ミラノ大学の物理学の学位を取得。
ロベルト
ステファノ・ディオニジ
Stefano Dionisi
1966年ローマ生まれ。ローマの劇団La Scalettaで演技を学ぶ。1994年に主演したジェラール・コルビオ監督の『カストラート』で一躍有名になる。フランチェスコ・ロージ監督『遙かなる帰郷』(1997)やジュリエット・ビノシュ主演の『年下のひと』(1999)などに出演。語学に堪能でイタリア映画のみならず国際的に活躍。2015年に自伝「La barca dei folli」を発表し、長い間苦しんできた精神疾患との闘いについて語った。
評判の板前がいるという寿司屋
のれんをくぐってカウンターの前にゆったりと座る
これが この映画を鑑賞する心構えです。